私たちの高校には、七不思議のひとつにこんなものがある。 月光に学園が照らされた夜の10時。 図書館の奥にある書庫に、とある本が出現する。 それは紅い革の表紙に題名も何もない本で、中身も真っ白だとか。 その本を発見し、ページをめくって願い事を三度唱えると、 願いが何でも一つだけ叶うらしい。 よくあるうわさ話。七不思議。都市伝説。 それが、私に大きな意味をもたらすなんて、 そのときまで考えもしなかった。
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